カミヤノート

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二次創作とFGO・Fate、最近のアニメについて

【追悼】ベルセルク・三浦健太郎先生について

5月20日、「ベルセルク」の作者・三浦健太郎先生の訃報が発表されました。亡くなられたのは5月6日とのこと。

ネットニュースの見出しで飛び込んできた突然の訃報に、ショックのあまりしばし茫然としました。ただただ残念でなりません。

 

私がベルセルクを読み始めたのは割と最近のことで、4年ほど前からでした。

漫画自体は大分前から知っていましたが、専門学生の頃古本屋で立ち読みした際はダークな印象が強く、「これはあまり受け付けないな」とすぐに棚に返したのを覚えています。

勤め先の一部の男性社員の人が時々ベルセルクの話をしていて、なかなか最新刊が出ない漫画なこと、新刊が出ると嬉しそうにやりとりしていたのも記憶に残っています。

 

敬遠していたベルセルクを読み始めたきっかけは、Fateのランサー役の神奈延年さんが過去にアニメ版で主人公のガッツを演じていたからでした。

FGOからFateにハマり、以来ランサーことクー・フーリンがいわゆる「最推し」な私は、神奈さんの男前な声と演技にも惚れ込み、他に演じられたキャラクターを調べてガッツに行き当たりました。

まず90年代後半に放送されていたテレビアニメ版を全話視聴、並行して漫画喫茶で地道に原作コミックスを読み進めました。

昔のテレビアニメ版は他のキャストも非常に豪華で、森川智之さん、宮村優子さん、石田彰さんなど今でも活躍されている方ばかり。

私はガッツとキャスカがとても好きで、神奈さんの演技はもちろんのこと、宮村優子さんの情感豊かな演技にも引き込まれました。

劇場版や新しい方のアニメシリーズはほとんど観ていません。

 

原作は漫画喫茶に行ける機会があまりなく、断罪編まで読んで何年か空いてしまいました。

その間に確か40巻が出て、漫画好きで岩明均作品を昔から読んでいる父にもベルセルクを勧めました。詳しい感想は聞いていませんが、全巻レンタルして読んでくれたようでした。

 

再び読めたのは、たまたま白泉社の漫画配信サイトでベルセルクが39巻まで期間限定で無料配信されていた時期でした。

40巻でようやくキャスカの容体に変化が訪れるのを知っていたので、続きが気になり貪るように読み進め、40巻だけ電子書籍で買って、ずっと続きを待っていました。

 

壮大な話なので、数年しか触れていない私に語り尽くすことは難しいです。

やはり神奈さんのガッツから入ったので、心身を蝕まれながらもキャスカを救うために戦うガッツをずっと追っていった、という感じです。ファルネーゼやシールケの心境に近いかもしれません。

シールケがガッツに対して、こんなにぼろぼろになるまで戦っている人の心が…とガッツの胸中に想いを馳せて涙するシーンで一緒に涙ぐんだのが忘れられません。

先に読んだ父が「途中からそんなに暗くなくなる」と言っていたのですが、一度は鷹の団の皆を失ったガッツが、新しい仲間を眺めて鷹の団の面々を思い返すシーンも心に残っています。

ベルセルクを読み始めた頃の私は私生活で結構な精神的疲労を負っていたので、ガッツに生きる力をもらっていた気がします。

 

ベルセルクという作品だけでなく、三浦健太郎先生の創作理論についてもネット記事を読んだことがありました。

主人公を起点とし、他のキャラクターを配置して、それぞれのキャラが主人公にどのような感情を想起させるか決めるといった内容で、興味深く読みました。

また重厚な画風も迫力・読み応えがあり、本屋でガッツの複製原画に思わず足を止めたこともありました。

 

たびたび著名人の訃報を耳にすると「信じられない…」と受け止めきれないことがあります。

ですが、ベルセルクの登場人物はほとんど皆、厳しい現実を受け止めて精一杯己の生を全うするため前を向いていました。

また、不変のものなどない世界の摂理、その中で生きる人々を緻密に描き続けてきたのがベルセルクという作品だったように思います。

 

もうガッツたちの旅路の続きが読めないのは寂しいですが、失った重みを受け止め、ささやかな日常を当たり前のものと思わず感謝したいです。

三浦先生のご冥福をお祈り申し上げます。